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2011年9月10日~15日 福島県と宮城県を訪問しました。

2012/01/16 21:16 に 岩渕美智子 が投稿   [ 2013/05/05 20:45 に更新しました ]
福島県と宮城県を訪問しました。
東北コミュニティー・志縁プロジェクトの共同代表・中山さんが案内してくれました。

中山さんが詳しいレポートを作成してくれましたので、ここに紹介させて頂きます。 


亘理いちごっこ訪問(宮城県亘理町)

  9月11日はコミュニティ・カフェ・レストラン「亘理いちごっこ」を訪問しました。

亘理いちごっこは、宮亘理町のコミュニティースペースです。

亘理いちごっこ

被災された方やボランティアの方には無料でお食事を提供するとともに、図書コーナーや支援物資コーナー、それに「お話聞き隊」による傾聴、その他、いろんな活動をしています。
今のところ、火、木、土、日がオープン日で、時間は11:00~19:00です。
現在の場所は20坪の建物のなかの、24畳の広いお座敷が飲食スペースです。
たくさんの人が訪れています。 
 いちごっこ馬場照子さん と 岩渕


馬場さんのお話
◎ 行政がケアできないところを面倒をみるのが役割だと考えています。
・いろんな相談を受けています。(住まい、支援制度、介護ケアなどなど)
・家族のような気持ちで困りごとに応じる
・寄り添う気持ちが大切です。
・仮設住宅に入らずに、知人宅やアパートなどに入っている人が行政サービスから洩れがち
 

お話聞き隊で聞いたことをどう伝えるかが難しいところです。
   ・ 行政にとって、うるさいと思うか、頼りになると思うかは微妙なところ
   ・ 信頼関係をどう築けるかがポイント
   ・ 住民と行政を繋げるような役割にできたら良いと思う。

 支援物資コーナー:「ご自由にお持ちください」(上)
 図書スペース  : 児童書、辞書など多彩です(下)


 ◎ 今後に向けて、新拠点を計画中
 
   ・ 仮設住宅に、店舗や食堂ができるのをきっかけに、新たな拠点をつくりたい
   ・ 建築関係の学生ボランティアたちが考えてくれている

 新いちごっこ・コンセプトとパース(上)
 新いちごっこ・レイアウト模型(下)


 ◎ これからは、自立に繋がる支援が大切
  必要迫られる『循環型支援』

  ・お金の循環
   ~自分自身が食事をしつつ、次の食事提供の資金に活かされる
   ~全国からの支援物資や支援金
   ~食事による「志」

  ・「こころ」の循環
   ~ 差し出しただけで終わらない
   ~ 顔の見える関係
   ~ 一方通行ではなく双方向
   ~ 支援された側が支援する側に回る

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南相馬市情報ステーション「桜風」を訪問
 
9月12日は、馬場さん、馬場さんのお嬢さんが、相馬、南相馬との連携のために、
相馬の和みサロン「眞こころ」と、南相馬市情報ステーション「桜風」を訪問。
カフェの開き方や、情報コーナーの作り方、傾聴の方法など、いろんな話題で盛り上がりました。
協働のネットワークがつながりそうです。


 ◆サイヤ隣の「南相馬市情報ステーション『桜風』にて
  馬場さんのお嬢さん 馬場さん  西野さん  岩渕


初めてフクシマに来たという馬場さんのお嬢さんは、原発や放射能についてあらためて考えるようになったと言ってました。      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

福島県における除染への取組み

10日から13日まで福島県における除染の取り組みについて各所を回りました。

1 NPO法人実践街づくり : 南相馬市

2 講演会「放射能から母体、子どもを守り、子どもと豊かな未来のために」 : 南相馬市

3 講演会「来春より農業の本格開始に向けて」 : 相馬市

4 飯館村役場 : 飯館村

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  1 NPO法人実践街づくり : 南相馬市

 除染活動に積極的に取り組むNPO法人実践街づくりの箱崎理事長と意見交換をしました。 


■課題
・除染作業はスタートしているものの、まだ除染ノウハウが確立されていず除染の質が確保できない。
・複数の専門家の方に指導いただい
ているが、観点や手法の共有が図られておらず、その力を十分には発揮できていない。
・計測、除染作業に、多様な施行者が参入しているが、作業の質がバラバラである。
・地元に除
染などを体系化、システム化の経験が少ない
・除染作業の安全に対する配慮が足りない。

結果として
・住民に は、なにをどこまでやれが良いのか?
 どの方法が良いのか?

 ・・・・戸惑いが出始めている。
・除染の「質」を確保するのが難しい。


■対応策                                                                                                                実践街づくりの箱崎理事長と
・計測や除染の方法、ノウハウを共有するために、一元管理をする
・専門家、実施主体を束ねるようなプロジェクトをつくり、意思決定プロセスやノウハウの蓄積と活用を図る
・地元に働く場をつくると共に技術の定着を図る


 
■南相馬で除染復興モデルをつくりたい
・南相馬は、警戒区域、緊急時避難準備地域、計画的避難区域、定避難勧奨地点の四つの放射線区分と、指定外の地域があり、フクシマが抱えている課題の縮図
  ・南相馬で開発した手法がフクシマのモデルケースとなって全体をリードする
   ⇒相双地方、中通りにも水平展開
   ⇒国際貢献にも繋がる


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2.講演会「放射能から母体、子どもを守り、子どもと豊かな未来のために」 

  ・9月12日夜、南相馬市原町3小体育館。 
  ・講師 日本原子力研究開発機構(JAEA) クリーンアップ分科会 天野 治 氏
  ・参加者 約150人  (8月8日に比べて、中高年の方が多かった)
  ・南相馬市の桜井市長が参加
      天野治 講師のお話

 ◎会場からの主な質問
  Q.セシウム137は半減期が 30年。体内で放射能を出すから不安がある。
     ⇒A.体外に早く排出されるから大丈夫。

  Q.安心して生活できる値はいくつなのか?
     人工線量 1mSV、自然 0.6mSVとしている自治体もある。
     年配者は講演を聴きにくるが、若い人はいない。 子ども、孫と暮らしたい。
     ⇒A. 目標は1年で 1/2、二年でさらに1/2、あわせて 1/4にすること。

  Q.東大の児玉先生は、原則論で放射能は危険だから極力減らす。
    いっぽう天野先生は、なるべく減らす、でスタンスが違う。
    土壌の漉き込みや代掻きをやると、セシウムをが長く貯めこむことにならないか?
     ⇒A. 児玉氏の貯蔵方式は原発などのの局部的汚染への対処法。 広域汚染には適しない。

  Q.学校だけ除染しても、地域全体を下げないと子どもたちは帰ってこれない。
    通学路、生活環境、すべてができてから住ませるべき。
     ⇒A. 学校は1/3~1/5となり、校庭は0.1~0.15となった。
          あとは、これからの取組み。

  Q.過去2ヶ月間、線量は変化していない。
    住んでる家のほうが長くいるのだから、これを下げないとダメ。
    (雨の日、湿気のある日は低く、乾燥すると高い)
    竹藪など全部やらないと線量が下がらない。

  Q.3月12日~20日に放射能が降り注いだのは分かっていたはず。
    その影響をもっと分かりやすく説明して欲しい。
    何を基準にして、食品が500ベクレルなのか? 何がどうなっているか示して欲しい。

 住民の皆さんの切実な想いと疑問をあらためて感じた講演会でした。

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3.講演会「来春より農業の本格開始に向けて」 ~田んぼ・畑のクリーン化

  ・9月13日午前、JAそうま本店3階の会議室
  ・講師 日本原子力研究開発機構(JAEA) クリーンアップ分科会 天野 治 氏
  ・参加者 約100名

  対象はJAそうまの職員や関係者の皆さん (上)
  がんばろう福島の職員の前で講演する天野先生(下)

 ◎ 組合長のお話
  ・フクシマという名前が付いただけでモノが売れない
  ・南相馬は作付禁止。雑草が背丈ほどに茂っている。
   長く放置すると再生がたいへんになる。
   できることからやっていく。
  ・いつまでも補償に頼っていたのでは力がなくなっていく。

  ・田畑や生活を奪われる”いわれ”はない。
   やってみて実績にして、東電や国に要求していく。
  ・行動すること、声を上げることが大切だ!!
  ・自分の田だけやってもダメ。 周りも一緒に皆でやること。

 ◎ 質疑
  Q. 草刈りしたら通常より高かった。どうすれば良いか?
   ⇒ A. 乾燥して燃やす。 灰の線量が高ければ灰を埋める

  Q.一回表土を入れ替えても、またやったら出てくるのではないか?
   ⇒ A.たぶんそんなに線量は上がらない

  Q. 南相馬は安全だと言っても、テレビ番組や、京都の大文字などいろいろある。
     売る対策を建てないと作っても売れない。 どう考えるか?
   ⇒ A.ブランドの再生。 しかけが必要。風評被害を消すには待っててはいけない。

  Q.除染費用を確実に得る方法はあるか?
   ⇒ A.個別にやるよりも地区などで一括でやるのが良い。
      標準見積もり(時間・費用) ⇒一括見積り ⇒ 個別はその上で

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4.飯舘村における除染の考え方

・9月13日午後、村役場飯野支所村長室での、天野さんと職員の方の打ち合わせに同席しました。
◎ 飯舘村の考え方

・放射能を後世に残したくないので物理的に無くしたい。
・故に「ハギトリ」を基本方針としている。
・帰るために最大限の努力をする
・作物をつくろうという感覚はあまりない。

◎ 天野さんの考え方
・クリーン化しても、誰も来れないではダメ
・農業ができる方法でクリーン化したほうがよい
基本的に飯舘村の復活を考えたい

  ※その他の意見
   ・村長は「2年ぐらいで」と言っており、
    線量が低くて戻れるところはやっていく

   ・年寄りは戻ってこれても、子どもは難しいかもしれない。
   ・避難を優先したので、除染が遅れた。
   ・国はセシウムを燃やすなと言っている。 ⇒ 蒸し焼きにして回収なさいとの指示
   ・田んぼには アカザが生えて、太く育ってる。
   ・杖にもなる木で、ちょっとやそっとじゃ片付かない。


★同席した、菅野うめさん(80歳) のお話
・二年は辛い。一年ぐらいで戻りたい。
・これまでの暮らしを85歳ぐらいまではやろうと思っていたのにこんなことになってしまった。
・畑仕事や家の周りのことをやったり、ゆったり暮らしてきたのに、今は仮設の狭い部屋のなかで何もやることがなく辛い。
・3日間、元の家に戻ったけど幸せだった。 
・仮設に戻ると頭痛がするし体がおかしくなる。
   ・仮設の友達たちも皆、下向いて座ってるだけ。  
・じっとしていると涙が出てくる。

・早く帰りてぇ・・・・・!!


最後の言葉、「早く帰りてぇ・・・・・!!」が胸に刺さりました。
自らの意志で戻るという選択肢もあるように思いました・・・・・

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